Velvet graft

昔から青の色が好きだったのは自分が赤緑色覚異常であることに由来する。青は空の色や海の色のように触れられない色(空間の色)という定義があるように思う。一方でベルベットという生地は強く触覚性を喚起させる。では濃く青いベルベットで様々なものを新しい皮膚として移植したら、触れられなさと触れたさの化合物ができあがるのではないだろうか。空間内に置かれたそれは、ベルベットの起毛性により本来物質にあたる光の方向性を反転、逸脱させ(上面が暗くなり下面が明るくなる)、空間のネガポジを反転させる(そこには確かにあるのに、そこにそれがある場所が埋没しているように感じる)ような錯覚を憶えさせる。



Mustang(Artificial leg)_foreleg|2019



Mustang(Artificial leg)_hind leg|2019



Velvet graft_#03 (kerberos)|2010



Velvet Graft(irreversibility tea party)|2011



Velvet Graft #01(cup)|2008