特に朝は忙しいから時間がない。それに予定通りに思ったようにいかないことはたくさんある。そういうときに口にする言葉、「時間がない」
ちょっと待って。時間は、ある。時間はいつもある。時間が、ない。などということなどありえない。おそらく、この宇宙というものができてから、時間がなかったことなど一度もない。
私たち人類は芸術作品や自然現象に触れることで、直線的な時間を飛び越えて、遥か昔にあった誰かの記憶や事象、さらには生や死を超えた世界、そういうゾーンのようなものに不意に繋がってしまう瞬間があると思う。
わたしたちが口にする「時間」とは何なのか。時間がないとは?あるとは?時間という概念を飛び越えたものはあるのか?あるのだとしたらそれをなんて言えばいいのだろうか?あの人にはもう会えないのだろうか?
時間というものが何なのかは正直わからない。でもこれからの未来を生きるための時間をどう過ごすのか、それを選択することはできる。これからを生きていくために、明日も働こう。たまにはお茶の時間にして一息いれよう。ひと月に一回は花を買って眺めてその花の匂いを嗅いでみたりしよう。そうだ今夜は映画を見よう。いつだってお気に入りの音楽を聴いて過ごそう。たまにはちょっと昔の、記憶の片隅にある、何かや誰かを思い出してみよう(それは思い出すと言うより、自分の中に残ってしまっている瞬間や記憶と言ったほうが正しいのかもしれない)。そしてそれがなぜ残っているのか、考えを巡らせてみよう。思い出す瞬間に、それはまた生きると思うから。この世界には名づけえない時間があると思う。