これは石原色覚検査表Ⅱという、色覚異常のテストをするための検査用シートから着想して作品化をしている。検査表の多くはひとつの記号や文字などが色覚正常者/異常者に見えるかどうかをチェックするものだが、この作品の中央のドットの集合の中にはふたつの言葉が入っている。そして色覚正常者と色覚異常者とではドットの中に見えてくる言葉が互いに異なる。さらには言葉の意味も互いに相反する言葉を与えられる。見えるとは何か、見えないとは何かを問うこと。自分には見えないものを想像することについての作品。私たちは何を持ってして事物を正常/異常とするのか。