そこにある三次元の物体そのものが、それ自身によってその三次元性を破壊することを恣意的にコントロールすることにより、意味的なブラックホールのようなものを作れないかと考え作り始めたもの。次元を破壊することによって別の次元が発生しないかという思考実験の結果としての彫刻作品(実際にはこれを作ったことによって空間の収縮は始まっていないのでブラックホールを作るのはどうやら失敗したらしい)。LHCなどの陽子加速器の実験でマイクロブラックホールが生成されることを危惧され実験の中止を求める訴訟が起こされたことからこの作品は着想された。
彫刻は物質のコントロールであると同時に時制をコントロールすることでもある。空間の収縮。因果律の破壊。空間からの脱獄。